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シネマコリア2007「ホリデイ」
2007.08.26 Sunday 00:29
これは理不尽な韓国の現代史を振り返り犠牲者を忘れないようにという骨太な、しかしエンタテインメントとしても引き込ませる意欲的で感服させられる作品です。
チョンドファン政権下での保護監護法という人権上の悪法の元、微罪でも延々と刑に服さなければならぬ者らが脱獄して人質事件を起こしたが人質となった者らは犯人をそれほど悪く言わず、さらに立てこもりがテレビで中継されたというチ・ガンホン事件という実際の事件を題材にしたフィクションで凄まじい力作です。

冒頭、ソウルオリンピックで貧しい地区を区画整理とは名ばかりで、政府がヤクザを使ったゴミ掃除の暴力の場面が出てきます。例えばそれは日本の空港開発であったり、今中国のオリンピックを控えた北京であったりで起こっているであろうという、程度は違っても、権力が本気になると人権が全く無視されるという類似性の場面でもあります。

シネマコリア本サイトのレビューも参考になりますが、輝国山人の韓国映画の方の解説も詳しいのでそちらもリンクします。

「美術館の隣の動物園」でのシム・ウナとの共演や「デイジー」でのチョン・ジヒョンとの共演など女優さんを引き立てるのにも定評のあるイ・ソンジェですが、この「ホリデイ」の演技は物凄い。何かというと一見弱そうだけれどどことなく理知的な部分。そして人質に怖れられない寧ろ同情される、だけれども犯罪者は犯罪者。この映画はフィクションでもあるわけだから、わたしは実際の犯人について知らないが、彼が社会の被害者だと強く認識されるように映ったかどうか。そしてそれを社会に言いたいというココロの奥底からの内なるエネルギーがあったようにちゃんと見えたかどうか。この点で、決しておちゃらけには見えず心は澄んでいるような風情で彼はいい仕事をしたと思います。よく犯罪が起こって、社会のせいっていう言い訳は通用しないという事がある。そうだと思う。それは人権がある程度保証されている場合。この事件の頃は滅茶苦茶だったんだから、それを反映した被害者ぶりが(必要以上に露骨でなくとも)映っていないと。その程度・味加減は難しいはず。ホントの事をいうと「デイジー」の彼はそんな好きじゃなかったけれど、「ホリデイ」に出たのは良かったと思う。貧民で弱く見えるのと意思は強く見せるのを合体させるのは難しいと思う。貧民で荒々しく育った明日のジョーの矢吹丈まで行ったら行き過ぎだから。
チェ・ミンスは怖すぎる。描いた時代がクロスする「砂時計(モレシゲ)」のパク・テスは荒々しいながらも不憫な人間として演じていたが、この「ホリデイ」での悪魔のような弱者拷問者ではここまで残忍に演じられるんだという位に凄い。
同じ部屋の囚人達、人質の家族(特に最後の家族の少女達)も含め、見所満載で高水準の作品でした。
(上の行で朝鮮日報などにリンクしています)。

フィクションとして美談になった部分がどれだけの割合かは分かりません。が、これは脱獄事件のただの断罪でなく、権力側を強く断罪した映画なのだから。いいんだと思う。甘いかもしれないが。



(追記)
人権抑圧された者の犯行という意味で、以前、在日の方の犯罪について書いた「越境の時 1960年代と在日」という本の感想を書いたのを思い出した。この本についてモヤモヤ感が残った事を書いた。ちょっと探したら分析している記事がありました(Arisanのノート)。 それで思い至った。
この脱走劇中、例えばノッポさんが悪さをしたりと脇役さんが代行してくれている部分。イ・ソンジェはやはりいい奴過ぎたのか? 実話を元にしたフィクションというのは見方が分かれるもの。先の本はフィクションでないのでストレートな批判も有得る。
この「ホリデイ」についても手放しで絶賛してはいけないのかもしれない。色々考えると難しいなあ。。。
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シネマコリア2007にて:『ホリデイ』 * 2007/08/28 1:40 AM
1988年に実際に起こった、脱獄囚立てこもり事件を映画化した作品です。 「有銭無罪、無銭有罪」と叫ぶ犯人の実像に迫る、迫力のある映画でした。 主演のイ・ソンジェの、キャラクター作りには感服。 同時に、社会派エンタテイメントとしても、楽しめる映画でした。
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